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許さない、あの過ち 2

Author: 花室 芽苳
last update Last Updated: 2025-11-28 13:14:20

「ねえねえ! 横井《よこい》さん、やっと優磨《ゆうま》と付き合うことにしたの?」

「……すみません、鷹尾《たかお》さん。私の耳の調子が凄く悪いようです、もう一度言ってもらえませんか?」

 私が笑顔で鷹尾さんにそう答えると、彼は一瞬引き攣った顔をして『……いえ、何でもないです』と目を逸らした。梨ヶ瀬《なしがせ》さんから何を聞いたか知らないが、少なくとも今は上司と部下の関係のはずだから。

 それにしても、鷹尾さんも周りに人がいることをよく考えて喋って欲しいものだ。もしこんな話を梨ヶ瀬さんの取り巻きが知ったら、今度はどんな言いがかりをつけられるか分かったものじゃない。

 ハッキリとした関係になるまでは、絶対に誰にも知られないようにしておきたいくらいなのに。

「でもさ……優磨が昨日からずごく機嫌が良くて。今朝も並ばないと買えない、人気のパン屋のサンドウィッチを差し入れてくれて」

「へえ、そうなんですか。なにか良い事でもあったんでしょうね」

 鷹尾さんはまだしつこくこの話を続けようとするので、私は何も存じませんという顔で会話をぶった切ってやる。

 すると隣に座っていた眞杉《ますぎ》さんの方がこれ以上は聞かない方が良いと気付いたらしく、鷹尾さんに違う話題を振って話を変えてくれた。

 随分とご機嫌なのは良いが、これで私の返事が思っていたのと違ったらどうするつもりなのか。まあ……その可能性はないと分かってるから、そんなに浮かれてるんだろうけれど。

 ……はあ、それにしても面倒くさい。

「なに? 何の話しているの、俺もまぜてよ」

 遅れてきた梨ヶ瀬さんが、トレーを持って当たり前のように私の隣に座る。以前は私の隣に眞杉さんが座っていたはずなのに、いつの間にか席替えが行われていたらしい。

 『いただきます』と手を合わせる梨ヶ瀬さんは、鷹尾さんが話していた通り確かにご機嫌だ。それに関して私から、その理由を尋ねる気は全くないけれど。

「そ、そういえば駅前に素敵なブックカフェが出来たんですよ! 今日の仕事終わりに、ちょっと寄ってみようかと思ってて」

「え、じゃあ俺も一緒に行こうかな! ちょうど、新しく読む本を探そうかなって思ってたところなんだよね」

 眞杉さんがそう話すと、鷹尾さんがすぐに話題に食いついた。そうそう。貴方は梨ヶ瀬さんのことより、まず自分の事を頑張ってください。

 眞杉さんはそ
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